食糧自給率の裏側とは?歴史から解説
※この記事の内容は無料メルマガvol7のアーカイブです。
こんにちは、ジャンです。
今日は食料の歴史の話です。
近代農業が発展してきた歴史を
振り返ってみたいと思います。
食糧自給率が重要な理由とは
今現在に至っても、農業のテーマといえば
あいもかわらず食糧増産、生産拡大です。
「食料自給率」は常に問題の焦点となり、
また、それは国家の重要課題とされています。
その最大の理由は、
みなさん、なんだと思われますか?
もちろん、食料は大切なものです。
それを滞りなく供給することは、
国民生活、ひいては国家の存亡に
関わる重要な問題なのは、
容易に理解できることでしょう。
しかしそれは、実は建前でしかありません。
そこには為政者の政治的な本質、
というか国家の重大な要素が隠されています。
食糧自給率に貢献した技術
農業の革命や発見には、
いくつか大きなものがありますが、
もっとも大きなものに、
アンモニア生成技術の発見があります。
第1次大戦前のドイツで、それははじまります。
ハーバーボッシュ法というのをご存知でしょうか?
それは「空気からパンを作る技術」として知られました。
空気中の窒素を、アンモニアの形で固定する技術です。
アンモニアは分解されると窒素になりますが、
アンモニア(硝酸アンモニウム)は同時に火薬の原料になります。
戦をするには食料備蓄は欠かせないのと、
もちろん、武器弾薬も欠かせない。
ハーバーボッシュ法はそれらを同時に
また空気から得られる、
まさに奇跡の方法でした。
こうした化学肥料が開発されるまで、
現存する最高の肥料といえば、
南米の海鳥が排泄する「グアノ」でした。
大航海時代はまた、グアノ大輸入時代とも言えるわけです。
もともと土地生産力の低かった西洋諸国を、
グアノは一気に豊かにし、
同時に爆薬も生産可能にしました。
しかし、グアノにも問題もありました。
海鳥のフンは「有限」なのです。
生産量には当然限りがあります。
そこに現れたのがハーバーボッシュ法なのです。
(化学肥料は軍事施設から生まれました)
ハーバーボッシュ法を開発したおかげで、
ドイツは食糧と弾薬を確保し、
戦争を始めることができたのです。
しかし、
ハーバーボッシュ法の発明と功績は、
実はそれだけではありません。
ハーバーボッシュ法における最大の革命があります。
それは人類が、
「いつでも戦争ができる状態」
を手に入れたこと。
実はこれがもっとも大きな革命と言えるのです。
食糧自給率の裏側
それまで戦争は「必ず農閑期にしか」行われませんでした。
戦に必要な兵糧、つまり食糧生産を、
いくさで中断するわけにいかなかったからです。
また、戦う兵力も農民です。
「貧しい者が最前線」
これが現代も続いている、
いくさの慣わし、現実です。
非常にアタマにくる話ですが、
これが古来より続く、戦の大前提です。
戦に駆り出される人びとはみな、
もちろん平和のために戦うのですが、
為政者にとって、「戦争とは経済」です。
儲けるためにやっている、
いわば一大公共事業??みたいなもんです。
人類にとって生存は、
もっとも価値があるため、
人々は生きるために最大の支払いを惜しみません。
(なので強力な武器の価格は青天井方式)
戦争とは、もっとも支払い額の大きい、
「もっとも高額で卑劣なビジネス」なんですね。
それが「農閑期以外でも」できるようになる…。
当時の為政者にとっては、
まさに邪悪な「夢の実現」だったわけです。
現代の経済も、主流は植民地経済、
および戦争経済(有事と平時の技術転用)で成り立っていますから、
冷戦は今現在も続いていると言えるわけですね。
火薬の主役はアンモニアからプルトニウムに変ったのですが、
未だに増産、拡大と言っているのは、こうした理由からです。
国家安全保障の名目で、
いつでも戦争ができるようにですね。
今回は少し暗い話題でしたが、
知っておいてほしい事実をお伝えしました。
それでは今日のお話はこの辺で。
また次回もお楽しみに〜
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